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日本を代表する文豪、太宰治の代表作の1つであり、『遺書作』と呼ばれています。
それは2つ理由があり、この作品書き上げた約1ヶ月後に愛人と共に入水自殺をした事。そして本の内容が彼自身の過去を色濃く反映されているのでは。という事です。
夏目漱石の『こころ』並立ち、新潮文庫社の累計部数650万部を越えて、発売されて60年の時を経て、今なお追いつけ追い越せと競いあう名作です。
-恥の多い生涯を送って来ました。-
強烈な一言から、物語は始まります。
一人の青年の四半世紀を、手記という形で綴られたお話です。
私はこの本を読み終えたときの感想は、シンプルに『こんな生き方嫌だ!!!』でした。
それと同時に、主人公に弱い心情に共感の嵐でした。
これでもかと謂わんばかりに、人の内面の弱いところを露にしてくるのです。
『自分にしかこの気持ち、分からないだろうな。』
『こんな風に感じるなんて、自分はなんて卑しくて弱いんだろう。』
『恥ずかしい。自分に自信が持てない』
『自分は心がどこか欠陥しているんじゃないか』
表現は人それぞれ違えど、そう自分の胸に秘めてる人が多いと思います。
ポジティブにとらえれば、こう感じるのは決して私だけじゃない。頑張ろう。とも思えますが
その逆を言えば、こんなに人は脆弱で脆くて愚かなのか。
自分の目標がなく、周りに流されて生きていく生き方はこんなにも切なくて悲しくて、目を背けたくなるほど哀れなものになるのか。
他人事ではなく、自分もこうなる可能性があるがゆえに、とても衝撃的な作品だと思いました。
太宰治の命の火を燃やして書いた渾身の作品です。是非。
- 作者: 太宰治
- 発売日: 2012/09/27
- メディア: Kindle版
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